相談事項 その6

「土地付き一戸建て」が、一番もめるって、本当?


回答: 相続財産のうち、主要なものが土地等である場合、もめる確率は高くなります。


相続人が複数いる場合、「誰が」、「何を」、相続するということが、一番の関心事だったりします。その関心事の対象である財産が、「土地付き一戸建て」だけであるような場合、遺産分けの際、相続人の間でもめる可能性がぐっと高くなります。

    

「もめる理由」

 

遺産分けを行うためには、相続財産が出来るだけ分配可能で、権利の移動も簡単である物が望ましいです。

とはいえ、相続のためだけに財を保有しているわけではありませんし、財産と呼ばれる物の中には、生活のために自分が住んでいる家や土地も、当然に含まれます。

特に、標準的な家庭においては、現預金の他に、価値ある財が居住用の不動産のみである場合が多く、しかも不動産が一番高価だったりします。

一番高価な財産を誰が引き継ぐか、他の相続者との公平性が確保されているか、相続人の間で関心事が増えていきます。

その関心は、やがて、胸の内の小さな火種となって、くすぶり始めます。

    

「相続人が居住する場合は要注意」

    

相続人の一人が、相続後も居住用不動産で、引き続き生活を営むケースは珍しくありません。

ただし、この場合さらに話がややこしくなりがちなので注意が必要です。

実は、次のような事象が発生する可能性が高いのです。

①他の相続財産と比較して、多大な不公平が生じてしまう。

相続財産として高価なものが、居住用の不動産だけだった場合、その不動産を相続した者と、他の財産を相続した者で、金額的に大きな相違が生じ、不公平感が湧きあがってしまいます。

②居住用財産を共有持ち分にしても実際に売却出来ない
居住用不動産を相続人全員で相続し、共有の財産とし公平性を保っても、結局その不動産に相続人が居住していれば、売却等の処分ができません。
そのため、換金性が乏しく、居住者以外には、有益な財産とは言えなくなってしまいます。

こうした場合、相続人が複数いるようだと、誰が何を相続するか、相続が「争族」に変貌してしまう可能性が高くなるのです。
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