相談事項 その8

贈与するなら「現金?それとも不動産?」


回答: 必ずしも一概に言えません。双方メリットとデメリットがあります。


誰しも受け取って嬉しい物とそうでない物があるように、現金で贈与されることを望む人もいれば、不動産で贈与されることを望む人もいます。税金の多寡だけが判断の指標となるわけではないのです。

    

「評価について」

 

贈与税は、贈与された財産額に応じた税率を乗じて算出されます。そのため、受け取った財産がいくらなのか?が重要な問題となります。

現金を受け取った場合
現金の場合はシンプルです。受け取った現金額が、そのまま贈与税の算出基礎数値になります。

不動産を受け取った場合
不動産の場合は少し厄介です。受け取った財産額が一体いくらなのか、一意に決めることが難しいからです。ただし、そうはいっても税制において、不公平があってはなりません。 そのため、固定資産評価額や路線価に基づき計算された一定の金額を用いて、不動産価格を算出します。

「現金贈与のメリット・デメリット」

現金を受け取った場合のメリットは、換金する必要が無く、受け取ったお金を好きなように使えるということが第一に挙げられます。贈与税の支払いは、受け取った現金の中から行えばよく、贈与税の支払いのために現金を別途用意する必要はありません。

反対にデメリットは、贈与税の算出の基礎となる金額は、受け取った現金そのものの額になるという点です。

「不動産贈与のメリット・デメリット」

不動産を受け取った場合のメリットは、不動産の評価額が、通常実勢価格の70-80%程度となり、購入価格よりも低く評価される点です。つまり、 購入に1億円要した不動産を贈与しても、贈与した財産は1億円より低い金額で認識され、結果として贈与税額が少なく計算されるのです。
また、不動産そのものを受け取ることが出来るため、実利に適った贈与方法だと考えることも出来ます。

反対にデメリットは、贈与税の支払いのためには、現金を別途用意する必要があるという点です。贈与された不動産を売却すれば、現金は手に入りますが、売却するには手間がかかりますし、 時間もかかります。

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